中学受験をするのが多い地域だから。
中学受験で頑張らせて、あとはエスカレーターで充実した中高の6年間を過ごして大学受験に備えてもらいたい。
特性のある子だから偏差値は関係なくのんびりした校風のこの中学校へ行かせたい。
ご家庭によって中学受験を選択する考えは様々だと思います。今回は、いわゆる難関中学を一時期目指した我が家の、
「中学受験やーめた!」
までのお話しです。
勘違いだらけの中学受験

ある日私は「○○中学では、キミの好きな△△部があるんだって~。」と、たまたまママ友から聞いた情報をなんの考えもなしに当時小学4年生だった上の子に伝えました。
それで終わるはずでした。
が、返ってきたのは
「えっ!その中学行きたい!!!」
でした。
勘違いその1:その子の特性を伸ばす?!
当時の上の子は凝り性でのめり込みやすく、過敏で感情の起伏が激しいなどちょっと育てづらさを感じていた私は、
「難関校の一つだし、特徴を持つ子らが集まるだろうそういう特殊な環境に早くから置いてやることも、この子の幸せかもしれないなぁ~。」
なんて、今思うと、
何寝ぼけたこと言ってるの??
的なことをぼんやりと思っていました。
12歳までは本人に合わせた環境を作ってあげる(環境設定)ことで、伸びすぎている特性をそれ以上伸びないようにしたり、感情も落着きコントロールが少しずつつくようになるなど、高い効果が表れやすいです。
よくある誤解が、
「その子の良さ(特性)を伸ばす」
ただでさえ飛び出てしまっている特性をわざわざ外(親)から伸ばしてどうする!?ってことです。
バランスが大きく崩れて後々本人の生きづらさに繋がります。
私はアンバランスな子どもに育てるだけでなく、一部の「特殊な」環境でしか生きて行けないようにするところでした。
(この辺りの詳しいことはどんぐり倶楽部のPILOTを受講することをおススメします。いわゆる「発達障害」と呼ばれているお子さんを育てているママ達にとって目からウロコの情報が満載です。あー、ホントにもっと早く受講しとけば良かった!!)
勘違いその2:健全な中学受験をやってみたい!
「中学受験する前にまずは思考力でしょ!」
と、やってみたアッパ君・ガッパ君問題(6mx23)。

当時小学校の勉強には全く困っていなかった上の子。
「わからない!」
と怒り・泣き・叫び、ノートを引きちぎり、鉛筆を折る・・・
重症どころか瀕死の状態でした。この時の事は忘れられません。でも、予想していた反応でした。これまでの自分の子育ての結果(この頃は自分を追い詰めていたので、子育ては自分ひとりの責任だと思い込んでいました。今なら「んなわけない」、と言えます。)だ、と頭では思っていました。だから受験自体はこれからどうとでもなる、と思っていました。
基本的に私はお花畑思考の持ち主です。
どんぐり倶楽部のホームページを隅から隅まで読み始めると同時にオンラインショップ(現在はどんぐり書房)で「健全な中学受験」というe-bookも購入しました。
これを読んでお花畑モードスイッチオン!
本当に素敵な中学受験の物語でした。私もこんな受験をしてみたい!と本気で思いました。きっとできるはず!なんて能天気なことを思っていました。
実はこの本の内容は「こんなに微調整が必要で難しい健全な中学受験は、素人のお母さんにはハードルがものすごく高いから、やめておきましょうね。人間になるための最終的な仕上げができなくなりますよ。」的な意味合いで書かれた本です。
私のようなおめでたい人には火が付く内容になり、中学受験突破を目指して子どもを塾に通わせているママ友たちにとっては、「そんなことできなーい!だから塾にお任せ~。」という反応にだいたいなります。
そんなことできないから中学受験はやめさせる、という声は聞きませんでした。
自分ができないのに子どもにはやらせるの??
違和感はありましたが、波風立てたくないので(笑)黙っていました。
ちなみに、どんな受験かというとこんな感じで着々と「親」が準備していきます。
参考リンク
勘違いその3:残り1年半でどんぐり問題全700問を消化させる??

そんなこんなで当時の糸山先生の添削コースにも申し込んだ私。
「よし、過去ログも関連本も読んだし、あとは小6の7月までにどんぐり問題を全700題すべて取り組んでいけばいいわね!」
と、一人着々と中学受験勉強の段取りを取っていきました。
って、
子どもをテキストに合わせてどーするのっ!
私の「させる、やればいい、できればいい育児」が明らかですね。こういった数々の勘違いは都度糸山先生から指摘していただきました。自分の勘違いぶりに毎回メールを開けるたび落ち込む日々でした。
中学受験勉強は長男には危険
添削で指摘されるたびに上の子の頭の中の現状がようやくわかってきた私。
「えー、何も今大変な思いをして中学受験しなくても、高校受験して難関校でも狙えばいいじゃーん。」
なんてフワフワした思いは完全に吹っ飛びました。
写真は当時の上の子の現状と最悪の事態をシミュレートしたものなど、自分の思考を整理したメモです。

このまま行けば良くてコピー人間、自分で生きていくどころか、正反対の運試しの人生を歩ませることになる。思考力を付けなければ彼の幸せはない、とやっと本気で思いました。
ある日の夜、アッパ君ガッパ君問題に再び取り組み、やっぱり絵が描けなくて椅子の上に小さくうずくまっている上の子に、
「わからん帳も含めて、どんぐり問題を楽しく解け切ることができなければ、受験はさせられないよ。だってあなたたちには幸せに生きていってもらいたいもん。」
と私の思いを伝えました。
もちろんこれ以外にもいろいろと話しましたよ。
上の子は少しびっくりしたような戸惑ったような表情をしていましたが、いつものように怒ることもなく黙って聞いていました。
過去問10年分の分析で見えてきたこと

どんぐり式の中学受験対策の一つに、親が志望校の10年分の過去問を分析する、というものがあります。当然私もやってみました。出題傾向の他にも見えてきたものがありました。
全教科通して出題数が多いこと、超難問は出ないけれど、サッサと正確にそれこそマシーンのように問題を解いていくトレーニングをする必要がある問題の作り、合格最低ラインの点数の高さなどでした。
志望校の調査も当然しました。
親から見て「面倒見のよい」その中学校は、徹底した管理教育で授業前後の補講はもちろん、長期休みも休みがあるのか?というぐらいの補講の数。部活にも力を入れているようでした。
この学校はとび抜けてユニークな子どもは求めておらず、平均的な(うーん、いい表現が見つからないけど。)努力と何より学校の敷いたレールの上をはみ出さずに歩いて結果(有名大学合格者数)を出せるような子どもを求めているんだな、と。
自分の好きなことを自分のペースで進めたい上の子には絶対に向かない学校だ、という印象を受けました。
いざ、地元大手進学塾へ
志望校の過去問分析といっても、所詮素人がすることです。
当時算数・理科・社会の途中まで分析が終わったところで、たまたま中学受験を考えている親のための無料講座が地元の大手進学塾で開かれるということで参加してみました。
プロの意見を聞きたい、と思ったからです。
そりゃぁもう、営業トークされる気満々で(笑)
ホントに教育関係者じゃないんですか??
私の住む地域は首都圏ほど中学受験熱はないですが、受験する子は珍しくはありません。
塾の無料講座の参加者は少なく、終了後にサッサと担当者を捕まえました。
そこで自分の過去問分析で見えた傾向や中学受験に対する考えや方針等を伝えると、ビックリした顔で
「お母さん、ホントに教育関係者じゃないんですか?」
30分ぐらいお時間を取っていただいたのですが、何度そう聞かれたことか。
私は特別なことをしたわけではなく、先ほど挙げた「健全な中学受験」と、どんぐり倶楽部の中学受験関連の記事通りのことをお話ししただけです。
ここだけでも、どんぐり式の中学受験の情報が適当でないことが伝わるのではないでしょうか?
(そりゃそーだ。糸山先生は元進学塾のバリバリの講師をされていたのだから。)
「あー、なんか僕個人的に応援したくなりましたっ!」
とアツい担当者さん(記憶が曖昧ですが、塾長かそれに次ぐ立場だった方。)は頼んでもいないのにおススメの参考書や勉強法なども熱心に説明してくれ、
「本来は塾生とその保護者にしか見せられないのですが・・・」
と塾自慢の中学受験コースのテキストを持ってきてくださいました。ペラペラとめくる度に、志望校の類題を一つずつ指さす私に担当者さんはちょっと引いていました(笑)。
最後に、
「テキストは塾生のお友達がいらっしゃればコピーでもさせてもらうといいですよ!勉強などでわからないことがありましたら、こちらへ電話して僕を指名してください!!」
とアツい担当者さんに名刺を渡され、塾を後にしました。
リップサービスかな~、と思わなくもなかったですが、あの担当者さんの表情や、その場でもまたその後も一切売り込みがなかったことから、善意で(塾的にいいのか??)言ってくださっていたのだと思います。
中学受験勉強をさせてはいけない
その分厚いテキストに所狭しと並んだ類題を見て、私は寒気がしました。
この塾に通っている子ども達は志望校に関係なく、この膨大な類題をサッサと解けるようにパターン練習をさせられるんだ、と。
上の子はスピードや分類することが大好きです。きっとハマる。
コピー人間にさせるわけにはいかない、とここでキッパリと中学受験はさせない、と私は決めました。
中学受験はしない
5年生の夏のことでした。上の子から中学受験はしない、と言ってきました。
「なんかぼくの運命が行っちゃだめって言ってるような気がして。」
どんな理由だ(笑)。
「でも、高校受験はしたい!」
とも言っていました。
中学受験勉強と中高一貫校へ進学することで失うもの

私自身ランクを落として高校は推薦合格し、やる気のない高校時代を過ごしました。
このままではロクな大人にならない、と高3の時にやっと勉強のエンジンがかかりましたが、結局消去法で進学先を見つけたという情けない受験生でした。
「中学受験はしない。」
上の子のこの発言でコッソリとやっていた過去問分析もやめました。
不完全ではあったけれど、子どもの中学受験準備を通して私自身が中高としてこなかったことを体験できました。そして、自分で作戦を立てて臨む受験はおもしろい!と実感しました。
ちなみにどんぐり倶楽部では、高校受験というイベントはこのように捉えています。
中学受験はこの作戦を立てて臨む受験のおもしろさを子ども自身ではなく、親が体験することになってしまいます。
中高一貫校であれば、社会に出る前の戦い方を学ぶ実践の場をスルーしてしまうんです。
それって、ホントにもったいない!
もったいないどころか、自己確立の面でも弊害が出ます。
今となっては経験不足の私に、子どもからその機会を与えてもらったのかもしれない、と思っています。
さいごに
地元の公立中学校での生活を楽しんでいる上の子を見て、私は中学受験をやめた判断でよかった、と思っています。
中学受験は母子二人三脚、とよく言われます。
ママの仕事は塾や週末の模試の送迎、塾の課題やテストの点数アップの応援(実際にはお尻叩き)、お弁当作りだけではありません。
中学受験の大きな波にのまれると、子どもどころか自分自身も見失うことが多いです。そんなママ達を何人も見てきました。
中学受験自体に害があるのではなく、受験するための勉強のさせ方、過ごし方次第では子どもに一生残るキズを作ることになるのです。
世間の目、自分のエゴ等様々なフィルターがかかっていることを意識して、お子さんにとってその時点でベストだったと思える選択をしてほしいな、と思います。
最後に中学受験を考えている方、または真っ最中の方に参考になる書籍をご紹介します。それは、『翼の翼』。所詮小説の中の出来事、と捉えるか、我が子かわいさから出てくる自分自身のエゴをどう消化していくか、いろんな読み方ができる本だと思います。
どんぐり倶楽部ではタブーとされがちな中学受験についての話題も、『学びのドア オンラインサロン』ではあなたが悩み不安に思っていることであれば、自分事として捉えお話しを聞かせていただきます。月額1000円で様々な学べるコンテンツもご用意しています。

